*===*===*===*===*===*===*===*===*===*===*===*===*===*===*===*===*
青山きもの学院の着物着付け、帯結びのDVD制作記 vol.65
2006.11.20配信( 17,290 部発行)
青山きもの学院< http://www.aoyamakimono.com/ > 吉田英一郎 発行
*===*===*===*===*===*===*===*===*===*===*===*===*===*===*===*===*
■こんな事がありました!
昨日、11月19日、第1回きもの文化検定が行われました。
全国で7000名以上の方が受験。
僕も、先生方と一緒に、法政大学(東京会場)に
検定試験のお手伝いに行きました。
当日は、沢山の青山きもの学院の生徒さんが
受験していたのにビックリ!
100名以上の方にお会いしたのでは・・・。
合格お祈りいたします。
+----------------------------------------------------------------+
みなさま、こんにちは。
吉田英一郎です。
さて、書籍「きもの講座」制作のお話、
今回は、撮影2日目の状況をお伝えします。
■撮影2日目メニューは。
撮影は、日本テレビのそばにある番町スタジオで
4日間に分けて行います。
初日は「物撮り」。
先週のメルマガを読み忘れた方は、こちら。
→ http://www.aoyamakimono.com/merumaga/index.html
そして、2日目は、
・留袖の着方
・袋帯で二重太鼓の結び方
・きものの着方
・片輪奈結び(腰ひもの結び方)
を撮影します。
■確認の確認。
初日の「物撮り」では、持っていくのを
忘れたものがあったり、
持っていったのに、
撮るのを忘れてしまったものがあったのです。
今回は失敗しないよう、撮影順に
きものや帯を並べて確認したり、
本のページ順を見ながら確認したり、
慎重にチェックをしました。
■大失敗が発覚!
撮影前々日、基本的なミスが発覚しました。
夕方、新田先生からの電話。
「長襦袢の袖丈に、色々なサイズが必要かもしれません。」
電話を切るやいなや、僕はこれから撮影するきものの
袖丈を全部はかりました。
袖丈は、3種類ありました。
それに対して、50.7cmの袖丈の長襦袢しか
新たに仕立てていなかったのです。
夏物は当然、絽。黒留袖は、白。
新たに仕立てている時間は、もうありません。
■どう乗り切ったかというと。
写真を撮る角度は、既におおよそ決まっています。
そこで、半衿が写るか、袖口がきものからのぞくかを
予測します。
冬物の二部式襦袢に、夏の刺繍半衿を付けたりしました。
青山きもの学院の、身長の高い先生方にも電話をして
長襦袢の協力を求めました。
ディレクターの氷川さんにも状況を連絡し
長襦袢の協力を求めました。
何とか、知恵を出し、皆の協力で
多分、今回の仕事の最大の危機を乗り越えたのです。
■番町スタジオ2F、本番撮影。
ディレクターの氷川さん、モデルのIさん、
カメラマンとアシスタント、ヘアメイクは3名、
青山きもの学院の先生方、モデル事務所の方などなど
総勢18名のスタッフです。
大きなスタジオですが、スタッフが多いので
狭いくらいです。
きもの、長襦袢、帯などをダンボール箱から出し、
ハンガーにつるし、アイロン仕上げの準備に入ります。
ここで、青山きもの学院の先生方からNGが出てしまいました。
「この黒留袖を教本にのせる事は出来ない。」
その理由は、黒留袖の生地が、紋意匠ちりめんだったからです。
うっすらと、地紋が浮き上がる生地なのです。
確かに、地紋のある生地を用いた黒留袖は、
一般的とは言えません。
“青山きもの学院は、本道である”という
先生方の思いは、僕に伝わりました。
僕は、すぐに青山本校に電話をして、
もう一枚準備しておいた黒留袖を
持ってきてもらうことにしました。
■1カット、1カットを大切に。
この日のモデルのIさんは、きもの好き。
着付け教室に通っていた経験もあり、
ご自分でも、着られる方なのです。
ですから、腰ひもの持ち方や、帯の持ち方など、
手つきも自然。
目線も自然で、助かりました。
見て欲しいところを、見てくれているのです。
カメラ目線になっていたら、本になった時に
おかしいですからね。
■DVD制作の経験が、生かされているような、無いような。
撮影が始まってからは、比較的順調だったように思います。
でも、撮り直しもしたのです。
ひとつは、きものと長襦袢の衿を止めるピンチを
途中ではずしてしまったところ。
もうひとつは、片輪奈結びで、判りずらかったところ。
実は、このふたつ、DVDでも失敗しているんです。
ピンチをはずしたところは、途中で新田先生が気が付いて
3カットだけ、すぐに撮り直し。
(気付いて良かった!本当に!)
片輪奈結びは、後日、
全てのカットを撮り直すつもりでいます。
■青山に戻って、また準備。
今まで100点をこえるきもの、帯、長襦袢、
帯留、帯揚、草履などの準備を、新田先生と
二人ですすめてきました。
しかし、長襦袢の袖丈ミスがあったため、
準備に青山きもの学院の加工責任者、
宮城さんにも加わってもらいました。
宮城さんは着物や帯の仕立てはもちろん出来ますし、
前職で、歌舞伎をはじめ
役者さんの衣裳担当を長く経験しているのです。
とても大きな戦力なのです。
三人で確認したから今度は大丈夫だよね。
きっと。
では、また来週です。
■□■ あとがき ■□■
―――疑問があっても質問できない―――
僕は、きものや帯の制作をしている現場が好きで、
機会をみつけては全国いろいろな染屋さん織屋さんを
たずねてきました。
制作にたずさわっている方々とお話するのは、
楽しくて色々な質問をしてきました。
きものや帯を見ると、
どんな方が作ったのだろうかと想像するのが楽しくて、
実際にその方にお会いすると、
今ではかなり僕の想像に一致しているのです。
しかし、せっかくお話をするチャンスを得ているのに
疑問を尋ねることが出来ないことが最近増えてきました。
どうも、遠慮してしまうことが増えてきたのです。
どんな人にも、どんな家庭にも、どんな仕事場にも、
他人が入ってはいけない領域はありますよね。
ふみ込んで欲しくない所ってありますよね。
そんな事を考えてしまう今日この頃です。 |